農業は自己管理が大切
栽培品目/レザーファン
岡村 幹男 さん
農家に転身されたきっかけを教えてください。
農協在職中、レザーファン(葉の形が美しく、花束や盛り花、コサージュ、ブーケなど、フラワーアレンジには欠かせないシダの一種)の育成や生産促進の業務に携わっていました。農業の合併を機に農家への転身を決意し就農しました。ハウス面積を増やし作業に朝から晩まで仕事をする日々を過ごしました。
農作物にレザーファンを選んだ理由
在職中携わっていた作物でしたし、他の作物に比べて育てやすいというのが正直なところです。また、1年を通して安定した収入が得られるので、生活の見通しが立ったこともレザーファンを選んだ大きな理由です。
レザーファンを育てる魅力
段取り良く仕事をすれば、時間を有効に使えるところです。日々の仕事をしっかり管理できれば、周りの農家さんにハウスの換気などを協力してもらえば、旅行に行くこともできます。それが楽しみや息抜きとなり、仕事への活力へと変わっています。
就農当時を振り返って苦労したことはありますか?
就農直後に苦労したことは、自己管理でした。仕事をしている時は、当たり前に1日8時間働いていましたが、就農後は、自分で時間を管理しなくてはいけなくなりました。気を緩めてはいけないと思い、1日必ず8時間は仕事をすることを決めました。怠けようと思えば、いくらでも怠けられるのが農業です。自己管理は本当に大切です。
地域との関わりや組織での役割
昨年まで営農組合で会計をやっていました。現在は、レザーファン農家を目指す若者の育成をしています。
指導し育成する立場になり思うことはありますか?
自分自身の経験だけで教えてはいけないと思い、就農当初から持っているレザーファンの栽培について書かれた書類を見直して勉強しました。指導者として、分からないことにしっかりと答えてあげなければならないと感じています。
今後の展望や目標
レザーファンは、8割が輸入です。日本でも八丈島や種子島など有名な産地はありますが、防府市大道のレザーファンも産地として認知されています。このレザーファンを次の担い手にバトンタッチしていくことが当面の目標です。もちろん、私も元気でいられる限り働き続けます。
就農において重要なこと
健康が第一です。なぜなら、病気などして働けなくなると収入が途絶えますし、農地が1ヶ月で荒れてしまいます。
それと、記録をしっかりとつけることも重要です。私は、水を撒いた時間や肥料の量などを全て記録として残しています。元々私も記録をつけたりすることは、苦手でしたが、1坪あたりの収穫量を把握するために記録をつけ始めました。
農家を目指す方へアドバイスをお願いします。
農業に取り組む強い意志を持った人に来ていただきたいです。
厳しいことを言うようですが、農業は365日休みがありません。農作物は毎日成長するので待ったなし。休みたければ、ご自身でしっかりと段取りを組まれて休みを作る必要があります。とにかく最初の5年間、毎日必死に農業と向き合えば何とかなります。最初が肝心です。最初に怠けると必ず失敗します。仕事がないから農業に逃げてきた、テレビなどで見て良いイメージで入ってきた人は苦労することになります。農業が好きで一生懸命努力する方に就農していただきたいと考えています。