拓け!!ほうふ農みらい

先輩農家インタビュー

刺激を求めて農業の世界へ

栽培品目/小松菜・春菊

松原 篤志 さん

就農のきっかけを教えてください!

大学卒業後小売業に20年近く勤め、社内の仕事は基本なんでもできるようになった頃、ふと、「この先、自らの人生を振り返った際、良い人生だったと思えるのだろうか…」と、小さな悩みを抱えたことがきっかけで、何かで独立したいという気持ちが大きくなりました。

 

数ある仕事の中で「農業」を選択したのは、「自分でリスクコントロールがしやすい」と思ったからです。

当初、小売業での起業も考えましたが、いくら商品を仕入れることができても、顧客を確保し販売ができなければ経営は成り立ちません。一方、農業の場合、今自分が携わっている生産方法や生産組織であれば、野菜の収穫までいけば、農協によるある程度の販路が確保されています。

取り扱う野菜の生産技術が身に付けば、自らが思う最小限のリスク内で挑戦することができるのではと考えました。

 

就農を希望されてから研修開始までにどんな準備をしてきましたか?

もう数年も前になりますが、就農に向けた情報収集のために一度、市役所を訪ねたことがあります。その時に就農にかかるプロセスと費用面について初めて知りました。

 

今の状況では難しいと判断し、それからは、仕事をしながら、就農に向け自己資金を貯めたり、就農した場合の生活のシミュレーションなどを行ない、農業経営していくのにどれぐらいの経費や規模が必要なのかなどを計算していました。

実際に就農した後は、イメージとのギャップは感じましたが、やって良かったと思っています。

 

独立前にどんな研修を受けましたか?

当時、研修中に交付される補助金を活用できる見込みが無く、子育て世代の私が、無収入で農業大学校に2年間も通うのは、時間的にも資金的にも難しいと考え、研修期間を1年とし、現地の先輩農家のところで技術を学びながら、農業大学校で座学聴講を行うという方法を選択しました。

 

3人の先輩農家のところで1ヶ月ごとのローテーション研修をし、それぞれの農家の良いところをピックアップし、技術を習得していきました。

 

研修中と就農後の違いはありますか?

実際に就農し、一人で作業することで実感しているのが、作業スピードをあげることが現在の課題です。先輩農家の方々に比べて作業スピードが遅く、比較すると約1.5倍ほど時間がかかっています。

今は、遅れを取り返すため、休日もビニールハウスに入り黙々と作業をしています。

休日返上は大変ですが、小松菜がどんどん成長していく過程や、出荷して収入を得たときの喜びも大きいのでそこまで苦ではないですね。

 

ご家族との過ごし方など就農して変化はありますか?

良かった点としては、家族そろって食卓を囲む時間が増えたことですね。前職の時は仕事を終えて帰宅するのが夜の9~10時頃だったので、一人で食べることがほとんどでしたが、今は家族4人で楽しい食事をすることが多くなり、生活リズムの変化を体感しています。

ただ、毎日農業に明け暮れる日々なので、休日に家族で出かける頻度は減りましたが、そういった時間も少しずつ確保できるようになるといいなと思っています。

 

今後の目標などお聞かせください!

目下の目標としては、今管理しているビニールハウスをフル活用し生産していきたいです。また、だいぶ先になると思いますが、自分の野菜を使った加工食品の販売なんかもできるといいですね。良い案があればぜひ教えてください!

 

就農を目指す方へのアドバイスをお願いします!

もちろん一から農業を始めることはリスクがありますが、国などの補助金を活用すれば自分のやりたいことを実現することも不可能ではありません。

また、今利用しているビニールハウスもレンタルですが、ハウスの空き状況や農地の情報など就農に関する有益な情報を自分でキャッチして、少しずつ計画を立てていくことが大切じゃないかなと思います。

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