地元を守るため、自ら農の道へ。
栽培品目/春菊、きゅうり
防府市 小川 さん
防府市華城地区で新たに就農し、春菊とキュウリの栽培に取り組む小川さん。
東京での生活を経て地元に戻り、「誰かがやらなければ」という思いから農業の世界へ飛び込みました。
今回は、就農のきっかけや現在の活動、今後の展望について伺いました。
Q.就農のきっかけを教えてください。
地元を離れて東京で暮らしていた頃、時々帰省するたびに、かつての田園風景が失われつつあり、耕作放棄地が増えているのを目にしました。
「誰かがやらなければ」と思ったとき、結局“誰か”って自分なんじゃないかと。
そう考えて、農家になることを決意しました。
Q.今年4月に就農されて半年が経ちました。生活や考え方の変化はありますか?
研修中は先輩方の指示で動いていましたが、今はすべて自分で判断しなければなりません。
どの作業を優先すべきか、自分で決断して動く責任の重さを感じています。
経営者としての視点が少しずつ身についてきた実感がありますね。
Q.現在は「春菊」と「キュウリ」を栽培されています。その2つを選ばれた理由は?
地域に合った作物を調べたところ、春菊が多く栽培されていることを知りました。
ただ、春菊は冬が中心なので、通年で考えるともう一作ほしいと思い、昔この地域でも栽培されていたキュウリを組み合わせることにしました。
春菊とキュウリ、この“かつての作型”を再現する形です。
Q.それぞれの魅力についても教えてください。
春菊は、一度種をまくと数ヶ月にわたって継続的に収穫できるのが魅力です。
また、華城の春菊は苦味が少なくてとても柔らかい。以前は苦手だった春菊を自分でもおいしく食べられるようになりました。
苦手な人にもぜひ食べてほしいですね。
キュウリは「管理に素直」な作物で、手をかけた分だけ結果に表れます。
良くも悪くも自分の栽培管理の成果がすぐ分かるので、学びが多いです。
Q.日々のスケジュールはどのような感じですか?
今はハウスの建設と並行して春菊の管理を行っています。
午前中は栽培管理、午後はハウスづくりという日が多いですね。
春菊の出荷が始まると、またリズムが変わってくると思います。
Q.就農して感じる苦労や課題はありますか?
基本は1人で作業しているので、会議やイベントで外に出ると作業が止まってしまうことがあります。
そのあたりの時間管理や人の手配が、今後の課題ですね。
家族に手伝ってもらうこともありますが、やはり1人でできることには限界があります。
Q.今後の展望について教えてください。
今後は自分の営農を安定させるとともに、次の世代の担い手を育てていきたいです。
農業に興味がある人が気軽に体験できる場所をつくり、地域全体で支え合える環境をつくりたい。
この地域には若い世代も増えており、さまざまな団体活動も活発です。
そうしたネットワークを活かして、農業の楽しさややりがいを共有していければと思います。
Q.最後に一言お願いします!
地域に根ざした農業を通じて、人と人とのつながりを大切にしていきたいです。
そして、この華城の自然と共に生きる農業の魅力を、もっと多くの人に知ってもらえたら嬉しいです。



