自分の手で「モノづくりができる」喜び
栽培品目/施設野菜:トマト
安村真喜 さん
就農されたきっかけを教えてください。
元々システムエンジニアをやっていまして、その時からモノづくりが好きでした。
システムエンジニアは「プログラムでモノを作る」という仕事です。しかし、年齢を重ねていくと社員を育成する立場になり、好きなモノづくりの現場から徐々に離れていったため、転職を考えるようになりました。
就職のセミナーに参加した際に、山口農林水産事務所さんのブースで「新規就農について」相談し、新規就農は様々なメリットがあるという事を教えて頂きました。
自分の手で「モノづくりができる」職業という事で、農業へ転職することにしました。農業を始めるということは、何か特別な事をするという考えではなく、転職先の1つでした。更にモノづくりの好きな私にとって何より嬉しいのは「一生」モノづくりに携われるという事です!
なぜ作物にトマトを選ばれたのでしょうか?
1番は、収入です。自分で調べた結果、面積あたりで収入が1番多いのは「いちご」でした。
しかし、いちごはトマトの倍くらいの人手が必要です。私は1人で農業をしようと考えていましたので、人手が掛かる作物では手が行き届かなくなると考え、収入もしっかり得られる、そしていちごより人手が掛からないというところからトマトを作物として選びました。
また、トマトは調べれば調べるほど面白く、その土地などにあった管理方法で育てないと上手くはいかない、そういうところがトマトを選んだ理由の1つで、作物が採れる期間が長いという事で安定して収入を得られるところもポイントでした。
作物をトマトに決めたのは、いつでしたか?
まだ前職で働いている時から、新規就農を見据え少しずつ情報収集を始め、農業大学校へ入る前には、トマトを育てようと考えていました。これは、人それぞれだと思いますが、私の場合は、就農する事を考え始めて1年間、前職を退職するまでの引き継ぎ期間が1年間の計2年間ありましたので、新規就農に向けて準備する時間がありました。
就農された前と後で生活などの変化はありましたか
前職の時は、朝早くに家を出て夜遅くに帰宅していましたので、子どもと顔を合わせる機会が週末しかありませんでした。今は、子どもの迎えなどをすることもできますし、もちろん毎日顔を合わせることができています。
それと、ストレスから解放されました。元々就農を考え出したのが、ストレスによる体調不良がありました。体調が悪かった時は、血圧が170近くあり体重も今より20キロも多かったです。今は血圧も下がり、体調不良も改善され元気に働けています。
また、トマトを育てている期間(8月~翌年の6月)は、毎日畑へ出て作業をしていますが、時間的に自由がきくようになりました。
これから農業に挑戦しようと思っている方へアドバイスをお願いします
農業という作業が自分に合っているかどうかを感じるために事前に農業体験しておくことは重要です。そこで、合ってないと感じた方は続けていくことは難しいと思います。
自分は、農作業が合っているので休みがない時期でも全く苦ではありません。それが苦しいと思う様では続かないと思います。
実際にベテラン農家さんの畑で行う農業体験がありますので、実際に作物に触れてみたりすることや、ベテラン農家さんから話を聞く事をお勧めします。
私は、前職の休みの日に農業大学で1年間一か月に1回の農業体験をしました。その際、1か月に1回では物足りない、もっとやりたい!という気持ちになりました。新規就農にあたってまずは農業が自分に合っているかどうかが最も大事だと思います。