拓け!!ほうふ農みらい

先輩農家インタビュー

課題を皆で共有しながらどうしたら解決できるかが大事

栽培品目/主食用水稲・加工用米・小麦・たまねぎ・アスパラガス

農事組合法人切畑ファーム 代表理事 原田道昭 さん

農事組合法人切畑ファームについて教えてください

平成19年に設立した法人です。農業従事者の高齢化や後継者不足などから、地域農業を守っていかなければならないということで、平成17年頃から山口県で集落営農法人の設立支援が推進され、その流れで設立した法人です。農事組合法人*の名のとおり、切畑地区の農家で構成した農業生産の協業を図る法人です。

設立当初の経営規模は約25haでしたが、その後年々増加し、現在の経営規模は約40haで、主食用水稲21ha、加工用水稲9ha、小麦10ha、その他たまねぎ、アスパラガスなどを生産しています。
構成員(法人へ農地を預けている農家)は73名。役員(作業員)は12名です。
*農事組合法人とは(農林水産省HP)

 

 

原田さんが代表理事を務めるまで

私は元々東京で会社員をしていましたが、長男ということもあり定年後にUターンで故郷の切畑に帰ってきました。当初農業をする予定はありませんでしたが、地域の集まりで法人の前代表理事や役員と出会い、そこでパソコン関係に詳しい人がいないから手伝って欲しいと言われたのが最初でした。
法人役員の一員になってからは、農耕車限定の大型特殊免許の取得や農大の「平成23年やまぐち就農支援塾集落営農法人研修」にも参加させてもらい、農業に関する知識や技術を学びました。その後アスパラガスの担当責任者を任せてもらうとともに、パソコン事務作業のほかオペレーターとして大型農機による作業にも従事することになりました。平成28年に代表理事となり、現在5年目を迎えております。

 

法人の現状

現在構成員は73名いますが、世代交代などで、県外在住者も増えてきています。設立当初、法人は田植え、稲刈り等主要作業を中心に行い、構成員各自が草刈りや水稲の水管理を行っていましたが、高齢化によりそれも難しくなってきています。
法人設立当時は約25ha程度だった受入農地も年々増えてきています。現在約40haですが、5年後までに更に7haくらいは増えると予測しています。そうなると、必然的に機械の充実や、法人の役員や機械のオペレーターの後継者を育成しなければなりません。
育成方法や個人で農業経営している方との関わり合いについても法人で検討を進めています。また、そうした課題や取り組みについては、課題共有の一つの手法として、山口県集落営農連携協議会で参考に示している集落営農法人の資源点検表などを用いて、課題を見える化し、役員だけでなく、構成員全員に共有し、総会の場など皆で考える機会を設けています。案として出た解決策を実際に実践し、ふり返りをし、見直しをして…。役員の高齢化問題をはじめとし、そうした課題について全員が当事者意識を持って考えてもらうための大切な機会です。そうした甲斐もあって、自分の農地の草刈りなどの日々の管理を進んで行ってくれる構成員もいます。

 

新規就農者との関わりについて

切畑地区で自然薯で独立自営している新規就農者(河合修平さん)が、昨年からオペレーターとして参加してくれています。
新規就農受け入れをするなかで、新規就農者の所得向上や経営安定、法人の担い手不足などの課題解決の一つとして、山口農林水産事務所から、新規就農者と法人が連携してはどうかという話をいただいたのがきっかけでした。法人も、後継者育成という課題を抱えているのと、法人の中だけで作業員を確保していくことは困難なので、委託作業員という形で河合さんの受入を決めました。
実際、河合さんに作業してもらって、大変助かっています。役員皆がそう思っています。地域にも馴染めていますし、また、そうした繋がりによって、彼を応援する人もいて、規模拡大の際には、法人が管理している農地を紹介したりもしています。
法人も人手を確保できるし、新規就農者は収入の確保につながり、地域との関わりも生まれます。今後の新規就農者の農業形態にもよりますが、新規就農者を迎え入れる一つの手法としてもいいのではないかと思います。

 

今後について

農業従事者の高齢化は本当に深刻であり、今、法人がいることで切畑地区の農地を何とか守れていると思います。法人の構成員・役員の高齢化問題を抱えながらも、後継者育成や新規就農者との関わりをもち、全員で課題解決策を考え実践していき、最低限、この地区の圃場整備された農地については、私たちの手で守っていかなければいけないと思います。

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