拓け!!ほうふ農みらい

先輩農家インタビュー

「雇用就農」という選択肢をつくるための「カイゼン」を

栽培品目/水稲・たまねぎ

株式会社ファーム大道 代表取締役 岡本 拓実 さん

就農のきっかけを教えてください!


元々実家が専業農家だったのですが、私がまだ学生の時に父が亡くなったことをきっかけに、土地を引き継いで農業をすることになりました。引き継いだ時はまだ4haほどの規模でしたが、現在は約38haまで拡大しています。

ただ当初は専業ではなく、他の仕事も掛け持ちで仕事漬けの日々でした。
学校を卒業してからは普通にサラリーマンもやりつつ、自宅に帰ったら農作業をする。今考えるとなかなかハードな生活でしたね。笑

それからサラリーマンを辞めた後は、無人ヘリでの農薬散布業務など様々な経験を積んで、最終的に農業一本に絞るようになりました。

 

 

岡本さんが運営している農業法人では何を栽培されているんですか?

令和2年2月に「株式会社ファーム大道」という農業法人を設立しました。

現在主食用米:約20ha、飼料米:約5.5ha、WCSという稲発酵粗飼料を約9haを主に栽培しています。

他にも麦を約19ha、さらに今年からはタマネギ栽培を実験的に始めています。これから本格的に取り組んでいこうと考えています。

 

 

なぜ玉ねぎの栽培を始められたのですか?

近年、今までお米だけを作っていたエリアでも、他の農作物を栽培できるよう農地整備事業が進んでおり、この大道エリアの一部では、FOEAS(フォアス)という地下水位制御システムが導入されています。地下水位を制御することで湿害などを軽減し、転作での野菜栽培がしやすい仕組みになっています。

まずはこのエリアで農業をしている私たちが仕組みをうまく活用することが、未来の就農者のためになると思い始めました。

 

 

農業をはじめて大変だったことを教えてください

やはり自分に合った栽培方法を見つけることですね。毎年いろいろ試行錯誤しながら少しずつ分かってくることがたくさんありました。はじめて5年ぐらい経って、お金の流れなどの経営感覚も含め徐々に掴めてきた感じです。

私の場合はスタートからある程度機材が揃った状態でしたが、新規就農の方は機械設備の投資に苦労すると思います。しっかりと自己資金を確保した上で就農することをお勧めします。

 

 

農業をはじめたばかりの自分にアドバイスするとしたら何を伝えますか?

「とりあえず毎日日誌を書く」ですかね。細かいことから全部、どのような作業をしたかなどをメモすることが大切です。それが蓄積して自分の感覚になってくるので。最初の頃は疲れてそれどころじゃないかもしれませんが、少しでもいいからデータを貯めておくことで、次の栽培に向けて改善することができます。

今はスマホで簡単にメモができ写真にも残すこともできるため、ぜひ実践してほしいです。

 

 

農業法人を立ち上げた岡本さんですが、「雇用就農」という選択についてはどうお考えですか?

昔は一から独立して就農するパターンが主流でしたが、雇用就農という形で農業に携わるルートが増加しています。独立して自分でやるよりも、環境が整った場所で働いて、そこで知識とか経験を身に付ける人が増えてきているようですね。

社員として働くことで、固定のお休みを取ることもでき、プライベートとの両立をはかることもできるようになってきています。

やっぱりちゃんと休んで、次の日の仕事に繋げる方がいいと思いますね。

将来的には農業大学生などの新たな人材を採用し、自分の知識や経験を次の世代へ継承していければと思っています。

 

 

トヨタ式「カイゼン」という取り組みを導入されているとお聞きしましたが、具体的にはどのようなことをされてるのでしょうか?

去年から導入を始めて、3年間で形になるように進めています。

今はとにかくトヨタ式「カイゼン」の考え方を意識醸成している段階です。いずれは様々な作業指示書を作成して、誰でも使えるようにマニュアル化などを進めていきたいと考えています。

農業の仕事は人から人への口伝で継承されてきたものが多い気がしていて、ちゃんとマニュアル化など、データとして残していくことが大事だと思います。

 

 

最後に、これから新規就農を目指している方へ一言お願いします!

当たり前のことですが、常に考えながら行動することが大事です。ただ漠然と言われたことだけやっていてもだめだし、自分なりに考えていても、他の人の意見も踏まえながら行動しないと独りよがりになってしまう。先人の知恵をうまく活用しつつ、自分だけのやり方を見つけていくことで良くなっていくはずです。

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